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アメリカの高校で学ぶ数学教育とは?その特徴と魅力を解説

アメリカの高校で、数学に苦戦しているお子さんも多いのではないでしょうか。


高校の必修科目であるだけでなく、大学進学や将来の仕事、特にSTEM分野(科学・技術・工学・数学)を目指す生徒にとって、数学は欠かせない基礎力になります。


では、アメリカの高校ではどのように数学が教えられているのでしょうか?


他の国と比べてどんな特徴があるのでしょうか?


このブログでは、アメリカの高校における数学教育の全体像をやさしく解説していきます。



アメリカの高校での数学の流れ


アメリカの高校(9年生〜12年生)では、基本的に4年間かけて段階的に数学を学んでいきます。

主なカリキュラムの流れは次のようになります。


  • 9年生(中学3年相当):Algebra I(代数)

  • 10年生:Geometry(幾何)

  • 11年生:Algebra II(代数の応用)

  • 12年生:Pre-Calculus(微積分の準備)、Calculus(微積分)、またはStatistics(統計)などの選択科目


中には、中学校のうちからAlgebra Iを先取りして学び、12年生ではAP(Advanced Placement)や微積分まで進む生徒もいます。


共通基準と州ごとの違い


2010年以降、多くの州では「Common Core State Standards(共通基準)」という学習指針を採用しています。


これは、ただ計算ができるようになることではなく、「なぜそうなるのか」「どう応用できるのか」といった“考える力”を重視したものです。


ただし、アメリカでは教育の方針が州ごとに異なるため、共通基準を採用していない州もあります。


たとえば:


  • カリフォルニア州:Common Coreを重視

  • テキサス州:独自の基準(TEKS)を採用


このように、州や学区によって内容や進度に違いがあるのも、アメリカの高校数学の特徴です。


「わかること」に重点を置いた授業


アメリカの高校では、「どうしてその答えになるのか」という概念的な理解を大切にしています。


  • 公式の暗記より「なぜこの式を使うのか」

  • グラフや図形を使った視覚的な理解

  • 実生活に結びつけた問題

  • グループワークやディスカッション


また、グラフ電卓やタブレットなど、テクノロジーを活用した授業も多く行われています。


このような教育方法は、完璧な答えよりも「考える姿勢」や「粘り強く取り組む力」を育てることを目指しています。


上級レベルの数学:Honors・AP・IB


もっと深く学びたい生徒向けに、アメリカの高校にはさまざまな上級数学コースがあります。


  • Honors Math:より速いペースで、内容も深く

  • APコース:大学レベルの内容(AP Calculus AB/BC、AP Statisticsなど)

  • IB(国際バカロレア):国際的なカリキュラムの一部として提供


これらのコースを履修すると、大学入学時に単位認定される場合もあり、進学にも有利になります。


数学と大学進学の関係


アメリカでは、大学進学を考える上で数学の履修状況がとても重要です。


特にSTEM系の学部を志望する生徒にとっては、


  • 4年間しっかり数学を学んでいること

  • 上級コースでの成績

  • SATやACTの数学スコアの高さ


といった要素が大学の評価ポイントになります。


難関大学を目指すなら、高校最後の年にCalculusやStatisticsを履修しておくのが理想的です。



アメリカ数学教育の課題


一方で、アメリカの高校数学にはいくつかの課題もあります。


  • 家庭の経済状況や人種による成績の差(教育格差)

  • 転校の多さやカリキュラム変更による学習のズレ

  • Algebra(代数)が“つまずきポイント”になりやすい


こうした課題に対応するため、多くの学校では補習クラスやオンライン教材、個別指導などの支援が用意されています。


数学の課外活動と大会


アメリカの高校では、授業以外にも数学に触れられる場がたくさんあります。


  • 数学クラブや名誉協会

  • 数学オリンピック、AMC、MATHCOUNTSなどの大会

  • 大学で開催されるサマー数学プログラム


こうした活動を通じて、数学の楽しさを深めたり、仲間と一緒に成長したりすることができます。


まとめ:アメリカの高校数学は“考える力”を育てる


アメリカの高校における数学教育は、計算力だけではなく、論理的思考力・創造力・粘り強さといった力を伸ばすことを目的としています。


地域や学校によって違いはありますが、生徒一人ひとりの理解や成長を重視するアプローチが広がっているのが特徴です。


大学進学や将来のキャリアに向けて、数学はとても大きな役割を果たします。


アメリカで高校生活を送る中で、「数学って面白い!」と思える瞬間がきっと見つかるはずです。


アメリカ宿題サポートでは、アメリカに住むお子さんの学習サポートを提供しています。


記事作成者 (Manami Palmini)


まなみ

講師経歴

​​

  • 国際基督教大学、大学院にて英語の集中クラスを受けながら、演劇や脚本の研究に携わる

  • 日本の個人塾で3年間英語講師としての経験あり

  • ​ニューヨーク大学(NYU)大学院にて芸術教育学を学び、言語学習における芸術活動の効果について研究

  • ​TESOL(英語教授法)資格あり

過去のサポート歴

  • 現地校、日本人学校に通うお子さんの日常英会話

  • 英検、中学、高校、大学受験対策

  • 駐在の方のためのビジネス英会話

  • お子さんがいる方のためのママ友さんとのスモールトーク、学校関連の会話

  • 研究員として渡米された方のためのプレゼンテーションのお手伝い


 
 
 

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