アメリカの小学生はどうやってリーディングを学ぶの?教育の特徴と家庭でできるサポート方法
- Manami Fujita
- 8月12日
- 読了時間: 6分
更新日:9月9日
アメリカで小学生のお子さんを育てている方の中で、
「子供は英語のリーディング(読む力)が苦手…」
という悩みをお持ちの方も多いのでは?
英語が母語ではない子どもたちにとって、学校の授業についていくには、読解力が欠かせません。
この記事では、アメリカの小学校で行われているリーディング教育の特徴や、学校でどんな本が読まれているのか、さらに家庭でできるサポートの工夫についてわかりやすくまとめました。
アメリカでの生活が初めての方にも読みやすい内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

アメリカの小学校では「リーディング」がとても大事!
アメリカの教育では、リーディングは算数や理科と並ぶほど重要な教科です。
なぜ、そこまでリーディングが重視されているのでしょうか?
リーディングはすべての学びの土台
アメリカでは、小学3年生くらいから「読むことで学ぶ(Reading to Learn)」段階に入ると言われています。
つまり、リーディングの力があれば、理科や社会など他の教科も理解しやすくなるのです。
もし読解力が不足していると、教科書やテストの内容が読み取れず、ほかの教科でもつまずいてしまうことがあります。
学力テストにもリーディングが出題される
アメリカのほとんどの州では、小学生を対象にした学力テスト(Standardized Tests)が定期的に行われていますが、どのテストにも必ずリーディングの問題があります。
そのため、学校でも日々の授業でリーディングを丁寧に指導しているのです。
アメリカのリーディング教育ってどんな感じ?
日本の学校と比べると、アメリカのリーディング教育にはいくつか特徴があります。
フォニックスをしっかり学ぶ
アメリカの子どもたちは、アルファベットと発音の関係を学ぶ「フォニックス」からリーディングの学習をスタートします。
文字を見て正しく音に変換する力を身につけることで、初めて読む単語にも自然と挑戦できるようになります。
フォニックスは、キンダーガーテン(幼稚園)や1年生でしっかり教えられます。
グループごとの読み聞かせ「ガイデッド・リーディング」
アメリカの小学校では、リーディングレベルに応じた少人数グループでの読書指導がよく行われます。
これを「Guided Reading(ガイデッド・リーディング)」と呼び、先生が子どもたちの理解度を確認しながら進めることで、より深く本の内容を理解できるように工夫されています。
レベル別に本を読む仕組みが整っている
「レクサイルスコア(Lexile)」や「DRA(Developmental Reading Assessment)」といった読書レベルの指標があり、子どもに合った本を選びやすい仕組みが整っています。
これにより、背伸びしすぎず、でも成長につながる読書ができるようサポートされています。
小学生がよく読む本のタイプは?
アメリカの子どもたちは、年齢や学年によって読む本の内容も大きく変わっていきます。
学年 | 特徴 | 人気の本 |
K〜1年生 | 短い文とイラスト中心 | Bob Books, Pete the Cat, Elephant & Piggie |
2〜3年生 | チャプターブックに挑戦 | Magic Tree House, Junie B. Jones, Ivy and Bean |
4〜5年生 | 内容が深くなり、章も多い | Charlotte’s Web, Wonder, Because of Winn-Dixie |
子どもの興味や読む力に合った本を選ぶことで、「読書って楽しい!」という気持ちを育てることができます。

家庭でできるリーディングサポートのアイデア
「英語の本は難しい…」
「学校任せで大丈夫?」
と感じている保護者の方も多いかもしれません。
でも、家庭でもできることはたくさんあります。
ポイントは、「英語が完璧じゃなくても、できることから少しずつ」。
1. 読み聞かせを続けよう
たとえお子さんがもう自分で読めるようになっていても、親が読み聞かせをする時間はとても大切です。
イントネーションや感情を込めた読み方は、子どもにとって良いお手本になります。
寝る前の10分間だけでも、習慣にすると自然と語彙力も伸びていきます。
2. 好きなテーマの本を選ぶ
子どもが恐竜や動物、宇宙に興味があるなら、そのテーマの本から始めてみましょう。
「好き」は最強のモチベーションです。
図書館や学校のブックフェアで一緒に選ぶのもおすすめです。
3. 読書の記録をつける
「どの本を読んだか」「面白かったか」などをメモする「読書ログ」をつけると、成長が見えて本人の自信にもつながります。
シールやスタンプで楽しく続けられる工夫もしてみましょう。
学校との連携も大事なポイント
アメリカの学校では、先生と保護者がコミュニケーションを取りながら一緒に子どもの学びを支える文化があります。
「Parent-Teacher Conference(保護者面談)」を活用しよう
年に数回行われる面談では、リーディング力の現状や課題について詳しく話し合うことができます。
「どんな本を読むと良いか」「どこにつまずいているか」など、先生からの具体的なアドバイスがもらえる貴重な機会です。
リーディングの成績や報告書に目を通す
定期的に送られてくる「Progress Report(経過報告)」や「Report Card(通知表)」には、リーディングの評価が載っています。
学校の指導と家庭のサポートをうまくリンクさせる手がかりになります。
焦らず、楽しく、じっくり育てよう
英語が母語でないお子さんにとって、アメリカの学校生活はとても刺激的で、同時に大きなチャレンジでもあります。
特にリーディングは、「できるまでに時間がかかって当然」くらいの気持ちでいると、親も子も少し気がラクになります。
焦らず、子どもが「本って面白いな」と思える時間を、家庭でも大切にしていきたいですね。
まとめ:アメリカでのリーディング教育を味方にしよう
アメリカの小学生にとって、リーディングは学びの中心です。
フォニックスから始まり、読解力を高めていく過程は、学校・家庭・子ども自身の三者の協力があってこそ成り立ちます。
ぜひ、今回ご紹介したような方法を日々の生活に取り入れて、無理なく、でも確実に、英語の「読む力」を育てていきましょう。
リーディングは、一朝一夕で身につくものではありません。
だからこそ、今日からできることを少しずつ続けていくことが、未来の大きな力になります。
アメリカ宿題サポートでは、アメリカに住むお子さんの学習サポートを提供しています。
記事作成者 (Manami Palmini) ![]() 講師経歴
過去のサポート歴
|





コメント