アメリカと日本の高校卒業後の進路の違いは?
- Manami Fujita
- Aug 13, 2024
- 7 min read
この記事では、アメリカで大学進学を考えている方に向けて、アメリカと日本の大学の違いについてご紹介します。
アメリカの大学の種類や入試方法など、日本とは異なる点がたくさんあります。
アメリカの大学進学システムなどを理解し、進路の選択肢を広げるためにも、ぜひアメリカ宿題サポートをご活用ください。
進学率の違い

アメリカと日本の高校卒業後の大学進学率の違いを紹介します。
進学率
高校卒業後に大学へ進学する学生は日本・アメリカ共に多数いますが、進学率はどれくらいなのでしょうか。
日本では大学進学率が約63%であり、一方でアメリカでは約79%となっています。
アメリカの方が大学進学率が高いことがわかります。
この違いの理由として、「奨学金制度が豊富であること」「高校までが義務教育であり、大学からが『高等教育』であること」などが挙げられます。
進学パターン

ご存じの通り、日本の高校卒業後の進学先は主に大学、短期大学、専門学校があります。
それでは、アメリカの高校卒業後の進路にはどのようなものがあるのか紹介します。でしょうか。
2年制大学
日本の大学といえば、まず「4年制」が思い浮かぶ方が多いと思いますが、アメリカの大学には「2年制」と「4年制」の両方が存在します。
アメリカの2年制大学は一般的に「コミュニティカレッジ」と呼ばれています。
2年制大学には主に以下の目的別コースがあります。
・4年制大学への編入を目指すコース
・就職する学生向けの職業訓練コース
4年制大学編入を目指すコースの学生たちは、2年間カレッジで学び、その後に4年制大学への編入を目指します。
カレッジでは一般教養や専門科目を学ぶことができます。
まずはコミュニティカレッジに入学し、勉強を進めながら、自分が学びたいことを見つけて編入先の4年制大学を選ぶというパターンもあります。
職業訓練コースでは、卒業後の就職を見据えたプログラムを専攻できます。
たとえば、観光学やビジネス、IT系、調理系など多岐にわたります。
日本の専門学校と似たようなイメージです。
2年制に入学する理由
2年制のカレッジへ入学する理由としては「4年制に比べ入学しやすい」や「学費が安い」などがあります。
2年制のカレッジへ入学するかというと、
・4年制に比べ入学しやすい
・学費が安い
という理由があります。
2年制大学の学費は、学校により異なりますが、4年制の約1/3の費用で済むこともあります。
学費の安さは、アメリカの多くの学生は奨学金を活用して大学へ通うため、これはかなりのメリットと言えます。
また、海外からの留学生はアメリカの大学に入学する際にTOEFLなどの英語試験のスコアが必要ですが、2年制大学は4年制大学に比べてスコアの基準が低く設定されています。
TOEFL iBTスコアの基準は4年制大学の場合、80点〜90点以上と設定されている学校が多いですが、2年制大学の場合だと、61点程度の学校が多いです。
4年制大学へ直接入学するのよりも、ハードルも低いことがわかります。
そのため、アメリカ人学生だけでなく留学生も「まずは2年制大学に入学」という選択肢を選ぶことが多いようです。
4年制大学
もちろん、高校卒業後すぐに4年制大学へ進学する学生もいます。
高校卒業する学生の約43%が4年制大学へ進学します。
4年制大学では一般的に、1〜2年次には教養科目を学び、その後3〜4年次には専門的な科目を取り、学位を取得します。
2年制大学よりも、専門的かつ実践的な教育に重点が置かれています。
そのほかの特徴としては、キャンパスの規模が大きかったり、施設や寮が充実していることが挙げられます。
その後大学院などへ
4年制大学で勉強した学生の中には、その後大学院へ進学するパターンもあります。
日本の大学院同様、より専門的な知識を得ることが主な進学目的です。
たとえば、医学、建築学、法学、工学など、資格が必要となる分野では、大学院への進学が必須または推奨されていることがあります。
GMATやLSATなどの専門の学力テストの受験が必要なため、入学は大学に比べてかなりハードルが高いです。
日本の教育内容との違い
アメリカと日本では大学進学システムにいくつか違いがあるため、いくつか紹介します。
進学のための塾や予備校は通わない
日本では、多くの高校生が大学受験対策の塾や予備校に通いますが、アメリカではこのような進学塾は一般的ではありません。
これはアメリカの大学の入試方法と関連しています。
入試内容の違い

日本では近年、「総合型選抜(旧AO入試)」や「推薦入試」など、多様な入試形式が増えていますが、それでもなお筆記テストによる入試が主流です。
一方、アメリカの大学入試では「The Significant Six」と呼ばれる入学審査基準があります。
内容は、下記のとおりです。
・学校の成績
・エッセイ(自己紹介文)
・推薦状(高校の担任や課外活動の責任者などから)
・課外活動
・テスト(SAT®やACT®の成績)
・面接
一発勝負の筆記式の入試ではなく、高校での普段の成績やどんな活動をしてきたのか、どんな人柄なのかを重視していることがわかります。
そのため、塾や予備校に通う学生はかなり少ないのです。
高校生らしく普段の勉強やスポーツやボランティアなどに励むことが、大学進学の鍵となります。
大学入学は簡単だけど卒業が大変
「アメリカの大学は、入るのは簡単だけど卒業するのが大変」とよく耳します。聞いたことはありませんか。
アメリカの2年制コミュニティカレッジのほとんどが、出願すれば100%合格できる「Open Admission」というポリシーを掲げています。
そのため、志願者はほとんどの場合、大学に入学できます。
4年制大学でも一部の難関校などを除けば、入学の門戸は比較的広いです。
4年制大学は、ハーバード大学などの名門校は非常に競争率が高く、入学が難しいとされていますが、比較的簡単に合格できる学校も多くあります。
アメリカの大学の多くは多様性を重視し、様々なバックグラウンドを持つ学生を受け入れることを目指しているため、一般的には多くの学生にチャンスを与えることを目指しています。
アメリカでは大学卒業時の成績が編入学や就職に大きく影響するため、学生たちは入学後も必死に勉強します。
ただ卒業すればいいのではなく、優れた成績で卒業することに価値があるのです。
毎日、大量のリーディングやエッセイが課題として出され、授業形態はディスカッションやプレゼンテーションなど、能動的に行うものが多いため、その準備に多大な時間を要します。
アメリカの大学は入学してからの方が大変だということがわかります。
まとめ
アメリカと日本の大学では、入学から卒業までたくさんの違いがあります。
アメリカの中でも、州や地域によってシステムが異なるので、その都度よくご確認ください。
行きたい大学へ進学するためには、まず普段の学校の勉強は欠かせません。
将来を見据えた勉強に、ぜひアメリカ宿題サポートをご活用ください。
記事作成者 (Manami Palmini) ![]() 講師経歴
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