アメリカの高校進路を完全ガイド|大学進学・コミカレ・出願プロセスから日本人の選択肢まで
- 2024年8月13日
- 読了時間: 11分
更新日:6月23日
この記事では、アメリカで大学進学を考えている方に向けて、アメリカと日本の大学の違いについてご紹介します。
アメリカの大学の種類や入試方法など、日本とは異なる点がたくさんあります。
アメリカの大学進学システムなどを理解し、進路の選択肢を広げるためにも、ぜひアメリカ宿題サポートをご活用ください。
進学率の違い

アメリカと日本の高校卒業後の大学進学率の違いを紹介します。
進学率
高校卒業後に大学へ進学する学生は日本・アメリカ共に多数いますが、進学率はどれくらいなのでしょうか。
日本では大学進学率が約63%であり、一方でアメリカでは約79%となっています。
アメリカの方が大学進学率が高いことがわかります。
この違いの理由として、「奨学金制度が豊富であること」「高校までが義務教育であり、大学からが『高等教育』であること」などが挙げられます。
進学パターン

ご存じの通り、日本の高校卒業後の進学先は主に大学、短期大学、専門学校があります。
それでは、アメリカの高校卒業後の進路にはどのようなものがあるのか紹介します。でしょうか。
2年制大学
日本の大学といえば、まず「4年制」が思い浮かぶ方が多いと思いますが、アメリカの大学には「2年制」と「4年制」の両方が存在します。
アメリカの2年制大学は一般的に「コミュニティカレッジ」と呼ばれています。
2年制大学には主に以下の目的別コースがあります。
・4年制大学への編入を目指すコース
・就職する学生向けの職業訓練コース
4年制大学編入を目指すコースの学生たちは、2年間カレッジで学び、その後に4年制大学への編入を目指します。
カレッジでは一般教養や専門科目を学ぶことができます。
まずはコミュニティカレッジに入学し、勉強を進めながら、自分が学びたいことを見つけて編入先の4年制大学を選ぶというパターンもあります。
職業訓練コースでは、卒業後の就職を見据えたプログラムを専攻できます。
たとえば、観光学やビジネス、IT系、調理系など多岐にわたります。
日本の専門学校と似たようなイメージです。
2年制に入学する理由
2年制のカレッジへ入学する理由としては「4年制に比べ入学しやすい」や「学費が安い」などがあります。
2年制のカレッジへ入学するかというと、
・4年制に比べ入学しやすい
・学費が安い
という理由があります。
2年制大学の学費は、学校により異なりますが、4年制の約1/3の費用で済むこともあります。
学費の安さは、アメリカの多くの学生は奨学金を活用して大学へ通うため、これはかなりのメリットと言えます。
また、海外からの留学生はアメリカの大学に入学する際にTOEFLなどの英語試験のスコアが必要ですが、2年制大学は4年制大学に比べてスコアの基準が低く設定されています。
TOEFL iBTスコアの基準は4年制大学の場合、80点〜90点以上と設定されている学校が多いですが、2年制大学の場合だと、61点程度の学校が多いです。
4年制大学へ直接入学するのよりも、ハードルも低いことがわかります。
そのため、アメリカ人学生だけでなく留学生も「まずは2年制大学に入学」という選択肢を選ぶことが多いようです。
4年制大学
もちろん、高校卒業後すぐに4年制大学へ進学する学生もいます。
高校卒業する学生の約43%が4年制大学へ進学します。
4年制大学では一般的に、1〜2年次には教養科目を学び、その後3〜4年次には専門的な科目を取り、学位を取得します。
2年制大学よりも、専門的かつ実践的な教育に重点が置かれています。
そのほかの特徴としては、キャンパスの規模が大きかったり、施設や寮が充実していることが挙げられます。
その後大学院などへ
4年制大学で勉強した学生の中には、その後大学院へ進学するパターンもあります。
日本の大学院同様、より専門的な知識を得ることが主な進学目的です。
たとえば、医学、建築学、法学、工学など、資格が必要となる分野では、大学院への進学が必須または推奨されていることがあります。
GMATやLSATなどの専門の学力テストの受験が必要なため、入学は大学に比べてかなりハードルが高いです。
日本の教育内容との違い
アメリカと日本では大学進学システムにいくつか違いがあるため、いくつか紹介します。
進学のための塾や予備校は通わない
日本では、多くの高校生が大学受験対策の塾や予備校に通いますが、アメリカではこのような進学塾は一般的ではありません。
これはアメリカの大学の入試方法と関連しています。
入試内容の違い

日本では近年、「総合型選抜(旧AO入試)」や「推薦入試」など、多様な入試形式が増えていますが、それでもなお筆記テストによる入試が主流です。
一方、アメリカの大学入試では「The Significant Six」と呼ばれる入学審査基準があります。
内容は、下記のとおりです。
・学校の成績
・エッセイ(自己紹介文)
・推薦状(高校の担任や課外活動の責任者などから)
・課外活動
・テスト(SAT®やACT®の成績)
・面接
一発勝負の筆記式の入試ではなく、高校での普段の成績やどんな活動をしてきたのか、どんな人柄なのかを重視していることがわかります。
そのため、塾や予備校に通う学生はかなり少ないのです。
高校生らしく普段の勉強やスポーツやボランティアなどに励むことが、大学進学の鍵となります。
大学入学は簡単だけど卒業が大変
「アメリカの大学は、入るのは簡単だけど卒業するのが大変」とよく耳します。聞いたことはありませんか。
アメリカの2年制コミュニティカレッジのほとんどが、出願すれば100%合格できる「Open Admission」というポリシーを掲げています。
そのため、志願者はほとんどの場合、大学に入学できます。
4年制大学でも一部の難関校などを除けば、入学の門戸は比較的広いです。
4年制大学は、ハーバード大学などの名門校は非常に競争率が高く、入学が難しいとされていますが、比較的簡単に合格できる学校も多くあります。
アメリカの大学の多くは多様性を重視し、様々なバックグラウンドを持つ学生を受け入れることを目指しているため、一般的には多くの学生にチャンスを与えることを目指しています。
アメリカでは大学卒業時の成績が編入学や就職に大きく影響するため、学生たちは入学後も必死に勉強します。
ただ卒業すればいいのではなく、優れた成績で卒業することに価値があるのです。
毎日、大量のリーディングやエッセイが課題として出され、授業形態はディスカッションやプレゼンテーションなど、能動的に行うものが多いため、その準備に多大な時間を要します。
アメリカの大学は入学してからの方が大変だということがわかります。
アメリカの高校進路にはどんな選択肢があるのか
日本の「とりあえず大学へ」という常識がそのまま通用しないため、戸惑うのは自然なことです。
アメリカの高校進路は、大きく分けて「4年制大学への進学」「コミュニティカレッジ(2年制)からの編入」「職業訓練校での専門技能習得」の三つに整理できます。
さらに、すぐに進学せず1年間の準備期間を取る「ギャップイヤー」や、卒業後にそのまま就職する道もあります。
日本のように一本道ではなく、自分の目標や学力、家庭の経済状況に合わせて柔軟にルートを選べるのがアメリカの大きな魅力です。
4年制大学への進学という王道ルート
学問を深く学びたい、専門職に就きたいというお子さんには、4年制大学への進学が王道の選択肢になります。
4年制大学では幅広い教養(リベラルアーツ)を学んだうえで専攻を決められるため、入学時に将来を確定させなくてよい点が大きなメリットです。
コミュニティカレッジから4年制大学へ編入するルート
コミュニティカレッジは公立の2年制大学で、学費が4年制大学より大幅に安く、入学のハードルも低いのが特徴です。
2年間で基礎課程を修了したあと、成績次第で4年制大学の3年次へ編入できるため、最終的に同じ学位を取りながら総費用を抑えられます。
英語力にまだ不安がある留学生にとっても、少人数クラスで学べるコミュニティカレッジは橋渡しとして人気の進路です。
職業訓練校・就職という進路も尊重される
アメリカでは大学進学だけが正解とはされず、看護、IT、自動車整備、調理などの専門技能を学ぶ道も社会的に尊重されています。
進路の優劣を決めつけず、お子さん自身が納得できる道を選べる空気があることは、アメリカ教育の良さのひとつです。
アメリカの大学進学に必要な出願プロセスを理解する
日本のような一発勝負の入学試験はなく、複数の要素を総合的に評価される「総合型」が基本だと知っておくと安心です。
GPA(高校の成績)が土台になる
アメリカの大学出願では、高校3年間の成績の平均点であるGPAが最も重要な土台になります。
名門大学では4.0に近いGPA、一般的な大学でも3.0前後が一つの目安とされています。
一夜漬けではなく日々の授業や提出物の積み重ねが評価されるため、入学した時点から計画的に取り組むことが大切です。
SAT・ACTという共通テストのスコア
有名大学を目指す場合は、SATやACTと呼ばれる全国共通テストのスコアが求められることが多くあります。
これらは年に複数回受験でき、最も良いスコアを出願に使えるため、早めに対策を始めるほど有利になります。
エッセイと推薦状・カウンセラーの役割
アメリカの出願で日本人が特に苦戦しやすいのが、自分自身を語るエッセイです。
エッセイでは成績だけでは伝わらない人柄や価値観、これまでの経験や将来の目標を自分の言葉で表現します。
出願には通常2〜3通の推薦状が必要で、そのうち1通は高校のカウンセラーが書くのが一般的です。
アメリカの高校には進路指導専門のカウンセラーがいて、志望校選びから出願スケジュールの管理まで伴走してくれます。
アメリカの大学進学の出願スケジュールと奨学金
アメリカの大学進学では、いつ何を準備するかというスケジュール感をつかむことが合否を大きく左右します。
一般的には、出願の1年半ほど前から逆算して準備を始めるのが理想とされています。
早期出願(ED・EA)と一般出願の違い
ED(早期決定)は11月頃に締め切られ、合格したら必ず入学する専願制で、第1志望が明確な場合に合格率が上がりやすい方式です。
EA(早期行動)も早期に出願しますが、合格しても他大学と併願できる点がEDとの大きな違いです。
一般出願(RD)は1月前後が締切で、3月から4月にかけて合否が通知されるのが一般的な流れです。
I-20・ビザの手続きと奨学金
日本から進学する留学生の場合、合格後に大学から発行されるI-20という書類をもとに学生ビザを申請する流れになります。
合格してから慌てないよう、ビザ取得までのスケジュールも早めに確認しておくと安心です。
高額になりがちなアメリカの学費は、奨学金をうまく活用することで負担を大きく軽減できます。
奨学金には成績優秀者に贈られるメリット型と、家庭の経済状況に応じたニードベース型があり、志望校選びの段階から制度を比較しておくことをおすすめします。
日本人ならではのアメリカ高校卒業後の進路選択
アメリカの高校を卒業する日本人のお子さんには、現地の生徒にはない進路の選択肢が広がっています。
そのままアメリカの大学へ進学する
英語環境に慣れ、現地でのネットワークを活かしたいお子さんには、アメリカの大学へそのまま進学する道があります。
卒業後にOPTという制度を使えば、専攻に関連した仕事に一定期間就いて現地で経験を積むことも可能です。
日本の大学へ帰国進学する
多くの日本の大学には海外の高校卒業生を対象とした帰国生入試や英語型入試があり、現地での経験が評価されやすくなっています。
アメリカで培った語学力や多様性への理解は、日本の大学でも大きな強みとして活かせます。
ギャップイヤーで進路をじっくり考える
進路をまだ決めきれていないお子さんには、1年間の準備期間を取るギャップイヤーという選択肢もあります。
インターンやボランティア、語学留学などを通じて自分の興味を確かめてから進学先を決められる点が大きな魅力です。
カリフォルニアの名門大学については、詳しくは「UCLAについての記事」をご覧ください。
州立大学の仕組みを知りたい方は、詳しくは「カリフォルニア大学についての記事」をご覧ください。
まとめ
アメリカと日本の大学では、入学から卒業までたくさんの違いがあります。
アメリカの中でも、州や地域によってシステムが異なるので、その都度よくご確認ください。
行きたい大学へ進学するためには、まず普段の学校の勉強は欠かせません。
将来を見据えた勉強に、ぜひアメリカ宿題サポートをご活用ください。
記事作成者 (Manami Palmini) ![]() 講師経歴
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