アメリカの中学生がエッセイや読解で身につける思考力
- Manami Fujita
- 10月7日
- 読了時間: 4分
アメリカの学校教育でよく耳にする「クリティカル・シンキング(Critical Thinking)」という言葉。
これは、特にエッセイの執筆や読解の授業で重視される力です。
日本語にすると「批判的思考」と訳されますが、難しい言葉ではありません。
簡単に言えば、「与えられた情報をそのまま受け取らず、自分の頭で考えて判断する力」です。
今回は、アメリカの中学校でどのようにクリティカル・シンキングが育てられているのか、そしてエッセイや読解の授業を通して中学生がどんな「思考力」を身につけているのかを、わかりやすく紹介します。

クリティカル・シンキングとは?
クリティカル・シンキングとは、ただ情報を受け取るのではなく、読解力を使って文章の内容を深く理解し、自分で考えて意見をまとめる力のことです。
たとえば、エッセイを書くときには、単なる感想ではなく次のような点を考えます。
文章の主張は何か?
その根拠は十分か?
反対の意見はあるか?
このように問いかけながら、自分の意見を整理していくことが、アメリカのエッセイ教育の基本です。
また、読解の授業でも、ただ「内容を理解する」だけでなく、「筆者の意図」「背景」「自分の考えとの違い」に目を向ける練習をします。
なぜアメリカの学校で思考力が大事なの?
現代は、インターネットやSNSなどで情報があふれる時代です。
その中で、自分にとって正しい情報を見分けるには、読解力とクリティカル・シンキングが欠かせません。
アメリカの中学校では、エッセイや読解を通して「自分で考え、判断し、伝える力」を育てることを目的としています。
つまり、「何を学ぶか」だけでなく、「どう考えるか」が教育の中心にあるのです。
この考え方は、高校や大学だけでなく、社会に出てからも役立つスキルとして大切にされています。
学校での具体的な取り組み
アメリカの中学校では、クリティカル・シンキングを育てるためにさまざまな授業が行われています。
● 読解授業でのディスカッション
文章を読んだあとに、登場人物の気持ちや筆者の意図について話し合います。
「自分ならどう考えるか」「他の人の意見とどう違うか」といった視点を持つことで、読解がより深まります。
● エッセイ課題での論理的な文章作成
自分の意見を明確に書く練習をします。
その際、「なぜそう思うのか」を根拠とともに説明することが大切です。
こうしたプロセスを通して、考えを整理する力と論理的に伝える力が鍛えられます。
● リサーチプロジェクト
特定のテーマについて資料を調べ、情報をまとめる活動です。
多くの情報の中から「信頼できるものを選ぶ」「自分の考えを組み立てる」経験を重ねることで、判断力と分析力が養われます。
クリティカル・シンキングが身につくと…
エッセイや読解を通してクリティカル・シンキングが育つと、次のような力が自然と身につきます。
エッセイで自分の意見を明確に伝えられるようになる
読解力が上がり、複雑な内容も理解できるようになる
問題を整理し、解決策を考える力がつく
他の人の考えを尊重しながら、自分の意見を表現できる
つまり、ただ「読む」「書く」だけでなく、「考えながら学ぶ力」が伸びていくのです。

家庭でできる練習法
クリティカル・シンキングは、学校だけでなく家庭でも少しずつ育てることができます。
特別な教材がなくても、日常の中で簡単にできる方法があります。
一緒に本や記事を読んで、「これはどういう意味?」と問いかける
感想を聞くだけでなく、「なぜそう思うの?」と理由を尋ねる
エッセイの下書きを見て、「この部分とこの部分のつながりはどう?」と一緒に考えてみる
こうしたやり取りを重ねることで、自然と考える習慣が身につきます。
「考えること」が当たり前になると、英語や国語だけでなく、他の教科の学び方にも良い影響を与えます。
まとめ
アメリカの中学校で重視されるクリティカル・シンキングは、エッセイや読解の授業を通して自然に身につく大切なスキルです。
単に「読む」「書く」だけではなく、「なぜそう思うのか」「どうしてそうなるのか」と考えることで、学びの質が深まります。
これからの学習や将来のために、日々の生活の中で少しずつ「考える練習」を続けてみましょう。
その積み重ねが、確かな読解力と思考力を育てる第一歩になります。
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記事作成者 (Manami Palmini) ![]() 講師経歴
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