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海外在住の子どもの理科・社会の遅れが心配なとき|日本のカリキュラムをオンラインで補う方法

9月26日
読了時間: 28分

現地校に通わせながら、補習校で国語と算数も見てもらっているご家庭は多いでしょう。


それでも理科と社会だけは、誰にも教わる機会がないまま時間が過ぎていることがあります。


海外在住のご家庭では、こうした状態に気づいて不安になる保護者が少なくありません。


先に結論をお伝えすると、理科と社会では「遅れ」の中身が違うため、同じ方法では補いきれません。


理科は現地校で学んだ内容を日本語と日本の学習形式につなぐ補い方がしやすい一方、社会は日本固有の内容を新たに学ぶ必要が生じやすい教科です。


文部科学省によると、補習授業校(以下、補習校)は「国内の小学校又は中学校の一部の教科について日本語で授業を行う教育施設」と定義されています。


令和6年7月1日現在で242校があり、在籍者は同年4月15日現在で約2万1千人です。


全教科を学ぶ場ではないことが、定義からも読み取れるでしょう。


この記事では、遅れの見極め方、日本のカリキュラムとの進度差、補習校と家庭と外部指導の役割分担、オンラインで補う手段、始める時期の5点を順に整理します。


帰国を視野に入れている小学生・中学生のお子さんをもつ保護者に向けた内容です。



【この記事でわかること】





理科・社会が後回しになりやすい理由

理科・社会が後回しになりやすい理由

理科と社会が手つかずになるのは、家庭の努力不足が原因ではありません。


海外で日本のカリキュラムを学ぶ環境そのものに、後回しになりやすい理由があります。


補習校の授業日数、現地校の教科の性質、家庭内の優先順位という3つの側面から順に見ていきましょう。


原因が分かると、どこを外部に頼るべきかの判断がつきやすくなります。


補習授業校は授業日数が限られ、国語が中心になる


補習校が理科・社会まで扱いにくいのは、授業日数そのものが限られているためです。


文部科学省は補習校の教育活動について、「平日は現地校等に通う子どもたちが週末に国語を中心に学んでいます」と説明しています。


総務省行政評価局が平成26年3月時点でまとめた実態調査では、補習校の授業は「国語を中心に、施設によって、算数(数学)、理科、社会などを加え」た内容とされています。


授業日数については「週1日、年間35〜40日程度」と記載されていました。


年間35〜40日という枠のなかでは、国語と算数が優先されやすく、理科・社会まで十分に扱うことが難しい構造になっています。これは施設の姿勢の問題ではなく、日数の制約として受け止めるべきものでしょう。


ただし、この調査は平成26年のものであり、現在の実施状況は施設によって異なります。


文部科学省が令和6年時点で公表している定義でも、補習校は「一部の教科」を扱う施設とされています。


どの教科まで扱うかは、施設ごとに違いがあると考えておくとよいでしょう。


同じ補習校でも、「準全日制補習授業校」は扱いが異なります。


同じ調査では「国語、算数(数学)、理科及び社会を含め4科目以上の授業を行い、週5日、年間175日以上」と定義されていました。


お子さんが通う学校がどちらの形態かを確認しておくと、理科・社会の見通しが立てやすくなります。


表1:在外教育施設の形態別にみた理科・社会の扱い(校数・在籍者数は文部科学省、授業日数は平成26年の総務省調査による)


形態

校数・在籍者数(令和6年)

授業の頻度・日数

主に扱う教科

理科・社会の扱い

補習校

242校(7月1日現在)・約2万1千人(4月15日現在)

週1日・年間35〜40日程度

国語が中心。施設により算数(数学)などを追加

施設によって加える場合がある。実施していない学校もある

準全日制補習校

補習校の内数

週5日・年間175日以上

国語、算数(数学)、理科、社会を含む4科目以上

授業として組み込まれている

日本人学校

94校・約1万6千人(4月15日現在)

国内の授業時数に準じる

学習指導要領に基づく全教科

国内の学校と同じ扱い




現地校のScienceとSocial Studiesは日本の理科・社会と別の教科である


現地校でScienceを履修していても、日本の理科と同じ内容を同じ順序で学ぶわけではありません。


単元の並び方も扱う深さも、それぞれ別に設計されています。


Social Studiesは、日本の社会科からさらに離れた教科です。


滞在国の地理や歴史、制度が中心で、日本の国土や日本史はほとんど扱われません。


日本の社会科も世界の地域や国際社会を扱いますが、学習の対象と順序が異なります。


現地校のSocial Studiesだけで、日本の社会科を十分に代替することは難しいといえます。


現地校の理科の授業がどのように進むかは、アメリカの理科の授業の様子で詳しく解説しています。本記事では授業内容そのものには立ち入りません。


注意したいのは、「Scienceの成績が良いから理科は大丈夫」という判断です。


成績は現地校のカリキュラムに対する評価であり、日本の理科の到達度を示すものではありません。


家庭では英語と算数が優先され、理科・社会は最後に回る


渡航直後は英語の習得に、その次は算数の継続に、家庭の関心が向かいます。この順序には、ある程度の必然性があるといえるでしょう。


そのうえで、理科・社会は「今すぐ困らない教科」であるため、着手が先送りされやすいのが実情です。


現地校の成績にも補習校の宿題にも表れないため、問題そのものが見えにくくなっています。


気づくきっかけは、帰国が具体的になったときであることが多いものです。その時点では残り時間が少なく、慌てて手を打つことになります。


「遅れている」と感じたら最初に確かめること

「遅れている」と感じたら最初に確かめること

「遅れている」という感覚は、保護者の実感であって診断ではありません。実際の状態はご家庭ごとに違い、理科と社会でも遅れの中身が異なります。


この章では、理科と社会それぞれの遅れがどこにあらわれやすいかを切り分けたうえで、家庭でできる確認方法まで具体的にお伝えします。


理科の遅れは日本語の用語や記録の形式にあらわれやすい


現地校でScienceを学んでいる場合、現象や仕組みの理解そのものは進んでいることが多いでしょう。


それでも日本の理科でつまずくとすれば、原因は日本語の側にある場合が少なくありません。


日本語の理科用語を知らないため、日本の問題文が読めないという状態が起きやすいのです。


理解が不足しているのか、日本語での表現が不足しているのかを分けて考える必要があります。両者では、必要な補い方がまったく違ってきます。


観察や実験の記録の書き方にも違いがある点は見落とされがちです。日本の理科では、結果と考察を分けて書く形式が定着しています。


この形式に触れていないと、帰国後のテストで手が止まりやすいでしょう。


理解はできているのに日本語が出てこない状態は、お子さん自身も説明しづらいものです。


「なぜ分からないの」と問い詰める形にならないよう、受け止め方にも配慮が求められます。


社会は日本の社会科を学ぶ機会そのものが不足しやすい


社会は理科と比べて、現地校での学習をそのまま土台にしにくい教科です。


日本の国土、都道府県、日本史、日本の政治は、現地校ではほとんど扱われません。


つまり、「日本語に置き換えれば通じる」性質のものとは限らず、日本の社会科で扱う内容を新たに学ぶ必要が生じやすいのです。


理科の遅れとは、この点が大きく異なります。


加えて、社会は文章で読み書きする分量が理科より多く、日本語の読解力への依存度が高い教科でもあります。


日本語の力が落ちている場合、社会の負荷は内容の空白と読解の負荷で二重になりやすいといえるでしょう。


帰国後の授業では、これらが既習事項として扱われることも少なくないでしょう。


その場合、補われないまま授業が進んでしまう場合がある点にも注意が必要です。


表2:理科と社会で「遅れ」の中身はどう違うか


観点

理科

社会

遅れの中身

日本語の用語と記録の形式が不足していることが多い

学ぶ機会そのものが不足していることが多い

現地校の学習が土台になるか

なりやすい。概念の理解は共通する部分がある

なりにくい。扱う対象が異なる

気づくきっかけ

日本の問題文が読めない、記述が書けない

帰国後の授業で固有名詞が分からない

主な補い方

日本語の用語と書き方をそろえる

単元を順に学び直す時間を確保する

日本語力への依存

中程度

高い



家庭でできる3つの現状確認


現状を把握する方法は、家庭でも短時間で実行できます。いずれもお子さんを試す形にならないよう、会話のなかで自然に確かめるのがよいでしょう。


1つ目は、日本の教科書または目次を用意し、単元名を見て内容を説明できるかを確認する方法です。


理科であれば概念を理解しているか、社会であれば用語を知っているかが分かります。


2つ目は、白地図を渡して、都道府県をいくつ書けるかを見る方法です。社会の空白がどれくらい広いかを、短時間で把握できます。


書けなかったとしても、それは学ぶ機会がなかったというだけのことです。


3つ目は、通っている補習校で理科・社会の授業があるかを確認する方法です。


通っていても実施していない場合があるため、思い込みで判断しないようにしましょう。


日本のカリキュラムとの進度差はどこで生まれるか

日本のカリキュラムとの進度差はどこで生まれるか

日本の理科と社会が、どの学年で何を扱うのかを整理すると、抜けている部分が具体的に見えてきます。


小学校と中学校では教科の構成が変わるため、順に確認していきましょう。ここでは学習指導要領に沿って整理し、海外在住で抜けやすい部分を並べます。


小学校|理科も社会も第3学年から始まる


小学校の理科と社会は、いずれも第3学年から始まる教科です。第1・第2学年には理科も社会もなく、生活科がその役割を担っています。


社会は、身近な地域から都道府県、国土、歴史へと対象が段階的に広がる構成です。


途中の学年が抜けると、その後の学年の土台が欠ける仕組みになっているといえます。


理科は「A 物質・エネルギー」と「B 生命・地球」の2つの区分で構成され、学年ごとに単元が積み上がります。


社会ほど順序への依存は強くありませんが、日本語の用語は学年をまたいで使われるものです。


海外在住で抜けやすいのは、地域や都道府県を扱う第3・第4学年と、日本史を扱う第6学年でしょう。


いずれも日本の地域や歴史といった、日本に関する内容を扱う単元だからです。


表3:小学校の理科・社会で学ぶ内容と、海外で抜けやすい部分


学年

社会の主な内容

理科の主な内容

海外で抜けやすい部分

第3学年

身近な地域や市区町村の様子、地域の生産や販売の仕事、地域の安全を守る働き

物と重さ、風とゴムの力の働き、光と音の性質、磁石の性質、身の回りの生物

社会は日本の地域が対象のため、学習する機会そのものが抜けやすい

第4学年

都道府県の様子、人々の健康や生活環境を支える事業、自然災害から人々を守る活動、県内の伝統や文化

空気と水の性質、金属・水・空気と温度、電流の働き、人の体のつくりと運動、天気の様子

都道府県の名称と位置。帰国後に既習事項として扱われることがある

第5学年

我が国の国土の様子、農業や水産業における食料生産、工業生産、産業と情報との関わり

物の溶け方、振り子の運動、植物の発芽・成長・結実、動物の誕生、流れる水の働き

日本の国土と産業。地図と結びついた知識が必要になる

第6学年

我が国の政治の働き、我が国の歴史上の主な事象、グローバル化する世界と日本の役割

燃焼の仕組み、水溶液の性質、てこの規則性、人の体のつくりと働き、土地のつくりと変化

日本史の通史。1年間で扱うため、学習する機会を逃すと影響が大きい




中学校|社会は3分野、理科は2分野に分かれる


中学校の社会は、地理的分野・歴史的分野・公民的分野の3つで構成されています。


学習指導要領では、授業時数の配当が地理的分野115単位時間、歴史的分野135単位時間、公民的分野100単位時間と定められています。


歴史の比重がもっとも大きいことが、数字からも読み取れるでしょう。


理科は第1分野と第2分野に分かれ、それぞれ7つの大項目からなる構成です。第1分野は物質やエネルギー、第2分野は生命や地球に関する内容です。


公民的分野は中学校で初めて登場するため、小学校の学習が抜けていても比較的追いつきやすい分野といえます。


一方、歴史的分野は小学校の日本史が土台になるため、抜けている部分の影響が出やすくなります。


表4:中学校の社会・理科の分野構成


教科

分野

主な内容

授業時数の配当

社会

地理的分野

世界と日本の地域構成、世界の様々な地域、日本の様々な地域

115単位時間

社会

歴史的分野

歴史との対話、近世までの日本とアジア、近現代の日本と世界

135単位時間

社会

公民的分野

私たちと現代社会、私たちと経済、私たちと政治、私たちと国際社会の諸課題

100単位時間

理科

第1分野

身近な物理現象、身の回りの物質、電流とその利用、化学変化と原子・分子、運動とエネルギー、化学変化とイオン、科学技術と人間

―

理科

第2分野

いろいろな生物とその共通点、大地の成り立ちと変化、生物の体のつくりと働き、気象とその変化、生命の連続性、地球と宇宙、自然と人間

―




帰国後に「知っている前提」で進む単元がある


都道府県の名称や位置、日本史のおおまかな流れなどは、帰国後の授業で既習事項として扱われる場合があります。


教科書は既習を前提に書かれているため、抜けた部分は自力で埋めるほかない構造だといえるでしょう。


一方で、理科の実験や観察は帰国後の授業でも実施されます。日本語の用語をそろえておけば、追いつきやすい面があるのも理科の特徴です。


理科については、現地校で同じ内容を何年生で扱うかにも違いがあります。


米国では多くの州が採用するNGSS(次世代科学スタンダード)を目安にすると、日本と同じ学年で扱う単元もあれば、1年程度ずれる単元も見られます。


扱う学年が近い単元は、現地校の学習を日本語に接続しやすいでしょう。


表5:日本の理科と米国NGSSで扱う学年の比較(4例)


単元

日本(学習指導要領)

米国(NGSS)

補い方の目安

磁石の性質

第3学年

Grade 3(3-PS2-3、3-PS2-4)

学年が一致する。日本語の用語をそろえれば接続しやすい

物質の変化(溶け方・水溶液・燃焼)

第5学年・第6学年

Grade 5(5-PS1-2、5-PS1-4)

米国が先行しやすい。現地校で学んだ内容を日本の単元名に対応させる

天気の様子

第4学年

Grade 3(3-ESS2-1)

米国が1年先行する。季節ごとの天気の記録を日本語で説明する練習が有効

人の体のつくり

第4学年・第6学年

Grade 4(4-LS1-1)

学年が近い。骨や筋肉、臓器の名称を日本語でそろえる



NGSSは州ごとに採用の有無や運用が異なるため、あくまで目安です。


お子さんの通う学校が何年生でどの単元を扱っているかは、現地校のカリキュラムで確認してください。



優先して手を打つなら、社会が先になる場合が多いでしょう。


理科は帰国後の授業で補える余地が残るのに対し、社会の空白は授業のなかでは埋まりにくいためです。


補習校・家庭・オンライン指導の役割分担を決める

補習校・家庭・オンライン指導の役割分担を決める

理科・社会を「どこが担当するか」を決めないまま時間が過ぎることが、もっとも避けたい状態です。


補習校、家庭、外部の指導(通信教育・オンライン塾・オンライン家庭教師)の3つについて、任せられる範囲と任せられない範囲を分けて考えていきましょう。


分担が決まると、外部に頼む内容も自然に絞り込めます。


補習校に任せられる範囲を確認する


前章の現状確認で触れたとおり、理科・社会の授業の有無は施設によって異なります。


通っているからといって、自動的にカバーされるわけではありません。授業がある場合も、年間の日数から扱える範囲は限られます。


教科書のどこまで進むのかを具体的に確認すると、家庭で補う量が見えてきます。


学年の途中で終わる単元があれば、その先は別の手段で補う必要があるでしょう。


補習校の役割や費用の考え方は、アメリカの補習校とは?で解説しています。本記事では、理科・社会の分担に絞ってお伝えします。


補習校の宿題が多い場合は、外部の指導と時間が競合する点にも注意が必要です。


週末の時間をどこまで補習校に充てるかを、先に決めておくとよいでしょう。


家庭でできることと、家庭だけでは難しいこと


家庭で取り組みやすいのは、白地図や地図帳を使った反復、教科書の音読、用語の確認といった短時間で終わる作業です。


これらは毎日少しずつ続けることで効果が出やすく、外部に頼まなくても進められます。


一方で、説明が必要な単元や、質問に答える必要がある内容は、家庭だけでは負荷が高くなります。


保護者が日本の教科内容を教え直す形になり、続かなくなりやすいためです。


保護者とお子さんの関係に学習の緊張が持ち込まれる点にも、目を向けておきたいところです。


家庭に無理をさせない分担のほうが、結果として長続きします。


家庭では既習内容の維持や反復を、外部の指導では未習単元の理解や質問対応を担う、という分け方があります。


家庭でそろえやすい教材の種類を、次の表にまとめました。


表6:家庭でそろえやすい教材の種類と使い方


教材の種類

向いている教科

家庭での使い方

注意したい点

白地図帳

社会(地理)

都道府県の名称と位置を繰り返し書く。特産品や地形を書き足す

書けない県を責めない。回数を重ねることを優先する

教科書準拠の問題集

理科・社会

教科書の単元順に解き、分からない単元を洗い出す

解説が必要な単元は家庭で抱え込まず、外部の指導に回す

学習まんが(日本の歴史)

社会(歴史)

通史の流れを物語としてつかむ。読書として取り入れる

用語の定着は別途必要。まんがだけで完結させない

無学年式のタブレット教材

理科・社会

抜けた学年にさかのぼって進める。進み具合を保護者が確認する

質問への対応は弱い。理解の確認は保護者が担う



日本の教科書そのものをどう入手するかについては、海外で日本の教科書をもらう方法で解説しています。


本記事では教科書はある前提で、誰にどう習うかに絞って進めます。


外部の指導を検討する3つの目安


外部の指導を検討する目安は、大きく3つあります。1つ目は、説明が必要な単元が続く場合です。


2つ目は、お子さんの質問に答えられない場面が増えた場合でしょう。3つ目は、帰国まで1年を切った場合です。


教科ごとに判断してよい点も、押さえておきたいところです。


社会だけ外部に出し、理科は家庭で用語をそろえるという分け方も、現実的な選択肢になります。


週あたりの時間を先に決めてから手段を選ぶと、過不足のない選択につながります。


時間を決めずに手段から入ると、続かない量を抱えてしまいがちです。


表7:理科・社会を誰が担当するかの分担例


担当

向いている内容

向いていない内容

頻度の決め方

補習校

国語を土台にした読み書き、実施していれば社会の基礎

学年をさかのぼった補強、個別の質問対応

週1日の授業のなかで扱える範囲を確認する

家庭

白地図や用語の反復、教科書の音読、進み具合の管理

未習単元の説明、記述の添削

短時間で毎日続けられる量に抑える

外部の指導(オンライン)

未習単元の説明、日本語の用語と記述の指導、質問対応

毎日の反復練習

曜日と回数を決めてから依頼する



オンラインで理科・社会を補う手段を比べる

オンラインで理科・社会を補う手段を比べる

海外から日本の理科・社会を学ぶ手段は、大きく通信教育、オンライン塾、オンライン家庭教師に分かれます。


それぞれ強みと弱みが異なるため、教科と目的によって適した手段が変わるものです。


ここでは通信教育、オンライン塾、オンライン家庭教師の順に性質を比べ、最後に選ぶときの判断軸を整理します。


個別のサービス選びは、既存の記事に譲ります。


通信教育・タブレット教材でそろえる


通信教育やタブレット教材の強みは、教材と進度管理がひとまとまりになっている点です。


費用も比較的抑えやすく、まず始めてみる手段として選ばれることが多いでしょう。


学年をさかのぼって学べる無学年式の教材であれば、抜けた単元に戻って進められます。


教材とあわせて日本の教科書を手元に置きたい場合は、海外で日本の教科書をもらう方法を参考にしてください。


理科・社会に対応しているかは教材によって異なるため、主要教科を含むものを選ぶ必要があります。


一方で、質問への対応や理解度の確認は弱い傾向にあるでしょう。保護者が進み具合を見て伴走できるご家庭に向いた手段だといえます。


オンライン塾でカリキュラムを追う


オンライン塾の強みは、学年のカリキュラムを体系的に一巡できる点にあります。


決まった曜日と時間に受けるため、学習のリズムを作りやすいのも利点です。


一方で、個別の穴を埋める使い方には向きません。集団での進行に合わせる必要があるため、抜けている単元だけを重点的に学ぶことは難しいでしょう。


海外在住者が利用できるオンライン塾の選び方は、海外在住の子供におすすめのオンライン塾8選で比較しています。


個別のサービスについては、そちらをご覧ください。


オンライン家庭教師で必要な単元だけを学ぶ


オンライン家庭教師の強みは、教科と単元を指定して依頼できる点です。社会だけ、日本史だけ、といった頼み方ができます。


日本語で説明を受けられるため、理科の用語と記述の指導とも相性がよい手段です。


現地校で学んだ内容を日本語に接続する作業は、個別指導がもっとも進めやすいといえるでしょう。


費用は3つの手段のなかで高くなりやすい点も、正直にお伝えしておきます。


ただし、回数をまとめて申し込むと1回あたりの単価が下がるサービスも見られます。


アメリカ宿題サポートにも4回・12回・24回のパッケージがあり、回数が多いほど1回あたりの料金は下がる仕組みです。


サービスごとの比較は、海外在住者向けのオンライン家庭教師はある?に譲ります。


どの手段を選ぶかの判断軸


判断軸は3つあります。1つ目は、未習の範囲が広いか狭いかです。広ければ通信教育やオンライン塾、狭く深ければオンライン家庭教師が向いています。


2つ目は、保護者が伴走できる時間があるかどうかでしょう。時間が取れないほど、質問対応のある手段が必要になります。


3つ目は、帰国までの残り期間です。期間が短いほど、単元を絞って依頼できる手段が有利になります。


併用も現実的な選択肢です。教材で反復し、分からない単元だけ指導を受ける形が、費用と効果のバランスを取りやすいでしょう。


表8:オンラインで理科・社会を学ぶ手段の比較


手段

カバーできる範囲

理科・社会への対応

質問への対応

料金の決まり方

向いているご家庭

通信教育・タブレット教材

学年のカリキュラム全体。無学年式ならさかのぼりも可能

教材による。主要教科を含むものを選ぶ

限定的

月額の定額が中心

保護者が進み具合を見られる

オンライン塾

学年のカリキュラムを体系的に一巡

コースによる。5教科対応のコースを確認する

授業内での対応が中心

月額。コマ数や教科数で変わる

学習のリズムを作りたい

オンライン家庭教師

指定した教科・単元

講師による。理科・社会を指導できる講師を指名する

都度対応できる

1回ごとの単価が中心

特定の単元でつまずいている



料金は各サービスの公式サイトで、申し込み前に必ず確認してください。


参考として、アメリカ宿題サポートのベーシック サポートコース(小学生・中学生)は、2026年9月13日に公式サイトで確認した時点で、60分1回35ドル、45分1回30ドルです。


理科・社会を指導できる講師については、アメリカ宿題サポートの講師紹介から確認できます。





時差と現地校の宿題に合わせて続ける工夫

時差と現地校の宿題に合わせて続ける工夫

手段を決めても、生活に組み込めなければ続きません。


時差、現地校の宿題、課外活動という3つの制約を踏まえて、無理のない形に組み立てることが大切です。


ここでは、曜日と時間の決め方、現地校との両立、続かなくなったときの見直し方を順にお伝えします。


無理なく続く曜日と時間の決め方


北米在住の場合、現地校のない平日の朝や週末の午前が、お子さんにとって受けやすい時間帯になりやすいものです。


北米と日本の時差は、米国本土なら東部で13〜14時間、太平洋岸で16〜17時間です。夏時間の有無で1時間ずれます。


講師が日本在住であれば北米の朝は日本の夜にあたり、講師が北米在住であれば時差の制約はほとんどありません。


どちらの講師かによって合わせやすい時間帯が変わる点は、申し込み前に確認しておきましょう。


現地校のある平日の夜は、疲労が重なりやすい時間帯です。


理科・社会のように新しく学ぶ内容は、疲れていない時間帯に置いたほうが定着しやすくなります。


週1回であれば、曜日を固定したほうが習慣になりやすいといえます。講師側が対応できる時間帯は、申し込み前に確認しておくと安心です。


現地校の宿題や課外活動と両立させる


学年が上がるにつれて、現地校の学習や課外活動の負担が増えることもあり、日本の学習時間を確保しにくくなる場合があります。


年間を通して同じ量を続けようとすると、どこかで破綻しやすいでしょう。


学期の始まりと終わり、テスト期間には日本の学習を軽くするなど、年間で強弱をつける考え方が現実的です。


課外活動のシーズンと重ならない時期に、集中的に進める方法もあります。


現地校の宿題そのものへの向き合い方は、アメリカで子どもの宿題を日本語で教える方法で解説しています。


宿題の負担が大きい時期は、そちらも参考にしてください。


続かなくなったときに見直す点


続かなくなったときは、まず量が多すぎないかを確認します。週あたりの時間を減らしてでも、継続を優先するほうが結果につながりやすいものです。


教科を絞る判断も有効でしょう。理科と社会を同時に進めず、社会から始める形も選べます。


手段が合っていない可能性にも目を向け、説明が必要な段階なのに教材だけで進めていないかを見直してください。


お子さんの様子が変わったときは、学習量ではなく生活全体の負荷を見るようにしましょう。


学習の問題に見えて、実際には疲れや環境の変化が原因である場合も少なくありません。


いつから何を始めるか|帰国時期から逆算する

いつから何を始めるか|帰国時期から逆算する

始める時期は、帰国までの残り期間と、帰国後に受験を考えているかどうかで変わります。


この章では、残り期間別の優先順位を整理したうえで、受験の有無による違いを扱います。


「理科・社会は後から追いつける」という見方についても、ここで取り上げておきましょう。


帰国までの残り期間で優先順位は変わる


残り2年以上あれば、社会を学年順に進めながら、理科の用語を並行してそろえる余裕があります。


週1回の指導と家庭での反復を組み合わせる形が、無理なく続けやすいでしょう。


残り1年程度であれば、社会を優先し、理科は用語と記述の形式に絞る判断が現実的になります。


すべてを追おうとせず、教科を絞って指導を受けるほうが、帰国後の負担は小さくなります。


帰国が半年以内に決まった場合は、都道府県の位置と日本史の流れという2点に絞る考え方が有効でしょう。


帰国後に始める場合でも、授業と並行して抜けた単元に戻る形で補うことは可能です。


表9:帰国までの残り期間別にみた優先順位


残り期間

社会

理科

進め方の目安

2年以上

学年順に進める

日本語の用語を並行してそろえる

週1回の指導と家庭での反復を組み合わせる

1年程度

都道府県と日本史を軸に進める

用語と記述の形式に絞る

教科を絞って指導を受ける

半年以内

都道府県の位置と日本史の流れに絞る

帰国後の授業で補える前提にする

短期集中で社会に寄せる

帰国後

授業と並行して抜けた単元に戻る

用語の確認から始める

つまずいた単元だけ指導を受ける



帰国後の受験を考えているかで判断が分かれる


帰国後に中学受験や高校受験を考えている場合、理科・社会は配点として無視できない位置を占めます。


一方、帰国生入試では英語や作文が中心になる場合もあるため、志望校の選抜方法を先に確認しておきたいところです。


始める時期の目安は、学習指導要領の構成から逆算できます。


中学受験の理科・社会は小学校の学習内容全体が範囲になるため、第6学年で歴史や政治の学習が本格化する前に、第3〜第5学年で扱う日本の地域や国土、産業に関する内容を押さえておく形が一つの目安です。


一般には第4〜第5学年から着手するご家庭が多いとされますが、断定はできません。


高校受験であれば、第3学年で公民的分野が加わる前の第2学年までに、地理と歴史を追いつかせておく考え方があります。


いずれも志望校の募集要項で出題範囲を確認したうえで、逆算してください。


受験を考えていない場合でも、帰国後の定期テストや授業への参加のしやすさには影響します。


どちらの場合も、確認すべきは「いつの時点で何が必要になるか」です。


「理科・社会は後から追いつける」という見方をどう考えるか


海外在住の家庭向けの情報のなかには、理科・社会は帰国後に学び直しても追いつけるとする考え方があります。


この見方の背景には、中学校で学んだ内容に高校で再び触れる場面があるという説明が挙げられることが多いようです。


ただし、この説明を裏付ける一次情報は確認できません。


追いつけるかどうかは、教科と学年によって違うと整理するのが妥当でしょう。


小学校の社会は、帰国後に学び直す機会が用意されているとは限りません。


一方、理科の用語は帰国後の授業でも繰り返し出てくるため、追いつける余地が残りやすいといえます。


どちらか一方を正解とせず、帰国時期と受験の有無を踏まえてご家庭で判断する材料としてください。


海外在住の子どもの理科・社会に関するよくある質問

海外在住の子どもの理科・社会に関するよくある質問

本文で扱いきれなかった疑問のうち、保護者から寄せられやすいものを取り上げます。


学校や自治体によって扱いが異なる事項は、募集要項や学校への確認が必要です。


理科の実験や観察は、オンラインでも学べますか


実験そのものをオンラインで再現するのは難しいものです。一方で、実験の目的、手順の読み方、結果と考察の書き分けは、オンラインでも指導できます。


日本の理科では、実験結果の記述や考察が問われる場面が多いものです。そのため、オンラインでは書き方の指導が要になります。


現地校で実験の経験がある場合は、その経験を日本語で説明する練習が有効でしょう。


帰国の予定がない場合でも、日本の理科・社会を学ぶ意味はありますか


帰国の予定がなくても、日本語で考えを表現する力を保つ手段になります。


社会は日本の制度や地理を知る機会となり、家族との会話や親族との関係にも関わってくるでしょう。


ただし、優先順位はご家庭の方針によって変わります。無理に全教科を追う必要はありません。


日本語の維持を目的にするなら、社会の読み物から入る形でも十分です。


現地校で英語で学んだ内容を、日本語に置き換える必要はありますか


理科については、置き換えの効果が大きい教科です。概念を理解している分、用語を対応させるだけで通じるようになります。


社会については、置き換えだけでは足りない場合が多いでしょう。扱っている対象が異なるため、日本の社会科で扱う内容を新たに学ぶ必要があります。


教科によって補い方が違うという点は、記事全体を通じた結論でもあります。


兄弟で学年が違う場合、まとめて指導を受けられますか


社会は学年ごとに扱う対象が異なるため、まとめての指導は難しい場合があります。理科は単元によっては、共通の説明が成り立つことがあります。


対応の可否はサービスによって異なります。申し込み前に、兄弟で同時に受講できるかを確認してください。


補習校の授業だけで、理科・社会の抜けはカバーできますか


補習校に通っていても、理科・社会が十分に扱われているとは限りません。


表1で示したとおり、補習校は国語を中心に運営され、理科・社会を加えるかは施設によって異なります。


通っている補習校に、理科・社会の実施状況と、教科書のどこまで進むのかをあわせて尋ねてみてください。


授業があったとしても、年間の日数を考えると、扱える単元には限りがあるでしょう。


補習校で扱わない部分を、家庭と外部の指導でどう分担するかは、表7の考え方を参考にしてください。


アメリカ宿題サポートで理科・社会の学習を始める手順

アメリカ宿題サポートで理科・社会の学習を始める手順

理科と社会のどちらから手をつけるべきかは、お子さんの状況によって変わるものです。判断がつかない段階でも、まず相談から始められます。


アメリカ宿題サポートでは初回レッスンを無料で試せるため、指導の進め方とお子さんとの相性を確かめてから決められるでしょう。


利用開始までは、次の4段階で完了します。


表10:アメリカ宿題サポートの予約手順


手順

内容

1

講師紹介から先生を選ぶ

2

LINEに登録する

3

先生と連絡を取る

4

レッスンを予約する



講師紹介のページでは、講師の経歴と対応教科を確認したうえで選べます。


理科・社会を希望する場合は、その旨を伝えて対応できる講師を確認してください。初回レッスンは無料です。


チェックアウトの画面でクーポンコード「FirstTime」を入力すると適用されます。


まとめ|理科と社会は分けて考えると補い方が決まる

まとめ|理科と社会は分けて考えると補い方が決まる

理科と社会では「遅れ」の中身が異なるため、補い方も分けて考える必要があります。


理科は既習内容の日本語化と記述形式への対応が中心になり、社会は日本固有の知識を新たに補う時間の確保が中心になります。


補習校は平成26年の調査で週1日・年間35〜40日程度とされており、限られた日数のなかで国語を中心に運営されています。


理科・社会まで扱うとは限らないため、補習校・家庭・外部の指導の分担を決めることが出発点になるでしょう。


手段は、未習の範囲の広さ、保護者が伴走できる時間、帰国までの残り期間の3点で選びます。


表9を残り期間別のチェックリストとして、ご家庭の状況に当てはめてみてください。


何から始めるか迷う場合は、アメリカ宿題サポートに理科・社会の学習を相談するところから始められます。




記事作成者 (Manami Palmini)


まなみ

講師経歴

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  • 国際基督教大学、大学院にて英語の集中クラスを受けながら、演劇や脚本の研究に携わる

  • 日本の個人塾で3年間英語講師としての経験あり

  • ​ニューヨーク大学(NYU)大学院にて芸術教育学を学び、言語学習における芸術活動の効果について研究

  • ​TESOL(英語教授法)資格あり

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過去のサポート歴

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  • 現地校、日本人学校に通うお子さんの日常英会話

  • 英検、中学、高校、大学受験対策

  • 駐在の方のためのビジネス英会話

  • お子さんがいる方のためのママ友さんとのスモールトーク、学校関連の会話

  • 研究員として渡米された方のためのプレゼンテーションのお手伝い


 
 
 

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