シカゴの小中学校ってどんな宿題が出るの?現地校でよくある課題まとめ
- Manami Fujita
- 12 分前
- 読了時間: 6分
アメリカ・イリノイ州にある大都市シカゴ。
美術館や音楽、スポーツチームなどで知られるにぎやかなこの街には、たくさんの子どもたちが暮らしていて、いろんな文化や言語が入り交じる学校生活が送られています。
そんなシカゴの現地校(小学校・中学校)では、どんな宿題が出されているのでしょうか?
アメリカ全体に共通する部分もありますが、シカゴならではの宿題も意外とたくさんあるんです。
この記事では、実際に出されている宿題の傾向や例を通して、シカゴの学校の学びのスタイルや考え方をご紹介します。
これからシカゴで暮らす予定の方や、すでに現地にお子さんが通っている方にとって、「なるほど、そういうことか」と参考になる内容になっています。

シカゴの学校の宿題はどんな特徴があるの?
シカゴの公立学校は、Chicago Public Schools(CPS)という大きな教育機関にまとめられており、約600校、32万人以上の生徒が通っています。
学校の方針や先生によって宿題の出し方に違いはありますが、次のような特徴がよく見られます。
読書系の宿題が多い(読書記録や本の感想など)
プロジェクト型の課題が増えている(調べ学習や発表)
家族で取り組むタイプの宿題もある
オンライン(Google Classroomなど)を使った提出も一般的
日本のように毎日プリントやドリルが出るというよりは、「自分で考え、調べ、表現する」タイプの宿題が多い印象です。
小学生の宿題には「読書」と「地域」がキーワード
毎晩20分の読書が定番
多くのシカゴの小学校では、「毎晩20分は読書をしましょう」という方針があり、本を読んだあとにタイトルや感想を書く「Reading Log(読書記録)」が課題として出されます。
また、多民族・多文化の都市らしく、「自分のルーツに関係する本を読んでみよう」や「移民の子どもが主人公の本を読もう」といった、本のテーマに工夫があることも。
「自分の町を知ろう」宿題も人気
シカゴの地域性を大切にしている学校では、「自分が住んでいるエリアを調べて紹介しよう」といった課題もよく出されます。
たとえば──
住んでいる地域の歴史や建物を写真と一緒にまとめる
地元のお店にインタビューして、レポートにする
家族と一緒に街歩きをして、気づいたことを書き出す
こうした宿題は、単なる学力アップだけでなく、「自分の住む場所を好きになる」という意味合いも込められています。
創造力を育てるアート系の宿題も
シカゴにはアートに力を入れている学校も多く、美術館や図書館と連携した課題もよくあります。
たとえば:
歴史上の人物についてポスターを描いて発表
詩を作って、家で朗読を録音して提出
自分の「夢のシカゴの街」を絵で表現する
宿題の中にアート・音楽・表現が自然に入り込んでいるのも、シカゴらしいポイントです。
中学生になると、課題の内容もより深く・広く
STEAM教育の影響でプロジェクト型が主流に
中学生になると、宿題もぐっと本格的に。
特に近年よく見られるのが、STEAM教育(科学・技術・工学・アート・数学)に基づいた「実社会につながる」プロジェクト型の課題です。
例:
シカゴの気候問題を調べて、解決策を提案するポスターを作る
シカゴ川の水質を調べ、グラフやデータをまとめてレポートを書く
公共交通(CTA)や都市開発について発表資料を作る
いずれも、「地域」と「学び」をつなげる視点が強く、「なぜこの勉強が大事なのか」を子ども自身が考えるきっかけになっています。
シカゴの歴史や社会問題を題材にした課題も
たとえば:
公民権運動とシカゴの関係を調べて、エッセイを書く
シカゴ出身の政治家や活動家について発表する
地元で起きている課題(治安・移民・教育格差など)を調べ、提言を考える
こうした課題を通じて、社会の一員としての自分の役割や意見を考える力が育まれていきます。
「シカゴならでは!」な宿題の実例をご紹介
ここでは、実際に現地で出されたことのある“シカゴらしい”宿題をいくつかご紹介します。
フィールド博物館やシカゴ美術館を訪れて感想をレポートにする
CTA(シカゴの電車・バス)に乗って、通学ルートを地図にまとめる
有名なシカゴピザを食べ比べて、おすすめランキングをつける
Lake Michigan(ミシガン湖)の環境問題について調べてプレゼン
シカゴ出身の有名人について英語で紹介カードを作成する
こういった宿題は、観光ではわからないリアルな“シカゴの学び”を体験できる機会にもなります。

保護者としてどんなサポートができる?
アメリカの宿題は「本人が考えること」が前提になっているため、あれこれ口出しするよりも、「寄り添って見守る姿勢」が大事です。
とはいえ、次のような形でのサポートはとても効果的です。
宿題の目的を一緒に確認する→ 「この宿題、何のために出されてるのかな?」と問いかけることで、子ども自身の気づきを促せます。
アイディア出しの手助けをする→ 内容を日本語で話し合いながら整理して、それを子どもが英語で表現してみる、という流れが安心です。
実体験を一緒に作る→ 宿題に出てくる場所に家族で出かけてみると、興味も深まって自然と書きやすくなります。
まとめ:宿題から見えるシカゴの教育スタイル
シカゴの宿題には、「知識を覚える」だけでなく、「自分で考え、感じて、発信する」という大きな目的が込められています。
この街に暮らす子どもたちは、ただ教科書と向き合うのではなく、地域社会や身近な世界とつながる形で学びを深めています。
それこそが、シカゴならではの教育の魅力であり、宿題が果たす大きな役割なのです。
これからお子さんがシカゴの学校に通う予定の方も、すでに現地校生活が始まっている方も、ぜひ*宿題を通じて子どもと一緒に「シカゴで学ぶ面白さ」を見つけてみてくださいね。
アメリカ宿題サポートでは、アメリカに住むお子さんの学習サポートを提供しています。
記事作成者 (Manami Palmini) ![]() 講師経歴
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