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アメリカ中学数学で必修!"negative numbers(負の数)"の意味と学び方とは?

アメリカの中学校で数学を学ぶ生徒たちが、必ず出会う概念の一つが”negative numbers(負の数)”です。


これは、日本の中学数学でも同様に登場する単元ですが、アメリカの教育現場ではその導入方法や指導法に特徴があります。


この記事では、アメリカの中学数学でどのように"negative numbers(負の数)"が教えられているかを紹介するとともに、関連する数学用語や歴史的背景、そして学習のポイントについても解説していきます。


negative numbers(負の数)とは?


まず、"negative number"とは何か、基本から押さえておきましょう。

negative number(負の数):値が0より小さい実数。マイナス記号(–)を前につけて表記されます(例:–5、–12.3など)。

より数学的に言うと、"real number(実数)"の中で、数直線上の原点(0)より左側に位置する数が"negative number"です。


整数の中で負のものは特に"negative integer(負の整数)"と呼ばれます。


関連語彙の解説:


  • Positive number(正の数):0より大きい数(例:1、3.5)

  • Integer(整数):小数や分数でない数(…–3, –2, –1, 0, 1, 2, 3…)

  • Real number(実数):有理数・無理数を含むすべての数(虚数を除く)

  • Minus sign(マイナス記号):–(負の数を示す記号)


アメリカの中学校での指導:negative numbersの学び方


アメリカでは、多くの州で6年生〜7年生(Middle School)で"negative numbers"が登場します。


Common Core State Standards(共通基準)によれば、生徒は次のようなスキルを学ぶことが求められます:


主な学習項目:


  • 数直線上の負の数の位置関係を理解する

  • 正と負の数の加減法(加算・減算)

  • 負の数同士、または負と正の数の乗法・除法

  • 絶対値(absolute value)の理解と使用


アクティブラーニング重視の授業


アメリカの数学教育では、座学よりも「体験」や「議論」を重視します。


例えば:

  • 数直線のモデルをクラス全体で再現

  • 負の温度(気温)を例に実生活に結びつける

  • オンライン教材(Khan Academy、IXLなど)でゲーム感覚の演習


また、生徒同士のペアワークやディスカッションを通して、問題解決力や論理的思考を育てる構成になっています。


歴史から見るnegative numbersの受け入れ


実は、「負の数」は古代から存在していたにもかかわらず、数学の世界では長い間、正式に受け入れられていませんでした。


主な歴史的背景:


  • 古代ギリシャ(ディオファントス):負の解を「無意味」として排除

  • インド(バースカラ):負の解を「不十分」と見なす

  • ヨーロッパ:16世紀ごろまで負の数は抵抗感が強く、完全に認められるまでに時間を要した


これは、数が「モノの量」を表すという考えに縛られていたため、「0より少ないものなど存在しない」という直感に反するからです。


現代の数学への影響:

負の数の概念を現代の身近なもので考えてみましょう。例えば:


  • 銀行口座の残高がマイナス(overdraft)

  • 気温が氷点下

  • 標高が海抜より下


こうした例があることで、アメリカの中学生たちは、負の数を「リアルなもの」として理解しやすくなっています。


学習のつまずきポイントとその対策


日本の中学生も同様ですが、アメリカでも「負の数」は多くの生徒にとって最初の壁になります。


特に苦手とされるのが:


  • –3 – 5 のような式の理解

  • –4 × –2 のような乗法のルール


対策として有効なアプローチ:


  • 視覚的アプローチ:数直線、図、色分けを活用

  • コンセプトベースの指導:「なぜそうなるのか」を重視

  • 具体的な状況設定:お金の貸し借り、気温変化などの文脈を用いる


例えば、次のような問いかけが使われます:

“If you owe $5 and then spend $3 more, how much do you owe now?”→ これは –5 – 3 = –8 という負の数の減算の具体例です。

日本の教育との違い:演習よりも理解重視


日本では、計算練習を重ねてパターンを覚える方式が一般的ですが、アメリカでは「なぜそうなるのか?」の理解に時間をかけます。


そのため、一見すると「進度が遅い」と感じられるかもしれません。


しかし、このアプローチは応用力や論理的思考を高めるうえで効果的とされています。


まとめ:アメリカの数学教育が教えてくれること


アメリカの中学数学で学ぶ"negative numbers"は、単なる計算練習を超えた、思考力を育てるためのテーマです。


  • 日常生活と結びつけながら「意味」を重視

  • 歴史的な背景を踏まえ、数学の進化を体感

  • ディスカッションを通じて「自分の考え」を表現する訓練


こうした教育の姿勢は、日本でも参考になる部分が多くあります。


お子さんがアメリカで中学に通っている方、これからアメリカに駐在・移住予定のご家庭にとっても、このような学びのスタイルを知っておくことは大いに役立つでしょう。


アメリカ宿題サポートでは、アメリカに住むお子さんの学習サポートを提供しています。


記事作成者 (Manami Palmini)


まなみ

講師経歴

​​

  • 国際基督教大学、大学院にて英語の集中クラスを受けながら、演劇や脚本の研究に携わる

  • 日本の個人塾で3年間英語講師としての経験あり

  • ​ニューヨーク大学(NYU)大学院にて芸術教育学を学び、言語学習における芸術活動の効果について研究

  • ​TESOL(英語教授法)資格あり

過去のサポート歴

  • 現地校、日本人学校に通うお子さんの日常英会話

  • 英検、中学、高校、大学受験対策

  • 駐在の方のためのビジネス英会話

  • お子さんがいる方のためのママ友さんとのスモールトーク、学校関連の会話

  • 研究員として渡米された方のためのプレゼンテーションのお手伝い


 
 
 

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