アメリカ在住の小学生になぜ国語力が必要なのか?日本人の子どもが今こそ身につけたい言語力
- Manami Fujita
- 4 分前
- 読了時間: 4分
アメリカに在住する日本人の小学生にとって、学校生活で必要となるのは当然英語です。
しかし、英語さえ話せればよいのかといえば、答えは「NO」です。
むしろ、日本語の国語力こそが、彼らの将来の学力やアイデンティティに深く関わってきます。
アメリカで育つ小学生にとって国語は、単純に日本語を話したり書いたりするだけの科目ではなく、思考力や理解力、読解力などの基礎を形成する重要なスキルです。
では、なぜアメリカで暮らす日本人の小学生に国語力が必要なのでしょうか。
ここでは、その理由を教育的・社会的・心理的な観点から詳しく解説します。

国語力はあらゆる教科の“土台”になる
アメリカの学校では、英語で授業を受けます。
算数や理科、社会、読書、作文、さらにプレゼンテーションなど、すべて英語で理解し、表現しなければなりません。
しかし、ここで重要になるのが「言語による思考能力」です。
思考力は、どの言語によって鍛えられていても、本質的には共通しています。
日本語で論理的に考える力、文章を理解する力、順序立てて説明する力は、英語で学ぶ際にも大きな助けになります。
つまり、国語は言語を学ぶ科目であると同時に、
読解力
思考力
表現力
といった学習に不可欠な力を育てる教科なのです。
家庭や文化、アイデンティティをつなぐ役割
アメリカに移住した日本人家庭では、学校では英語、家では日本語を使うケースが多く見られます。
この二つの言語環境があるからこそ、
日本語での会話力
日本文化を理解する力
家族とのコミュニケーション
が十分に保てるかどうかは、国語力に大きく左右されます。
特に小学生の時期は、母語が「自分のルーツを理解する基盤」となります。
日本語を学ぶことで、
自信をもつ
家族や祖父母と深い関係を築く
日本文化を肯定的に捉える
といった情緒面の成長にも大きく影響します。
バイリンガル教育において、日本語力は英語力の成長を後押しする
「英語を伸ばすために日本語を減らすべき」という誤解を持つ方もいますが、これは大きな間違いです。
研究では、
母語の読解力
語彙力
問題解決力
がしっかりしている子ほど、第二言語習得がスムーズであるという結果が出ています。
つまり、国語力を鍛えた日本人の小学生は、
英語で教材を理解しやすくなる
語彙力が増える
内容を深く学習できる
など、学習全般に良い影響を与えるのです。
帰国後の学習・受験で圧倒的に有利
アメリカ在住中は英語が中心でも、将来日本へ帰国する可能性は十分あります。
帰国後に直面しやすいのが、
国語の読解問題が難しい
作文が書けない
漢字が定着していない
といった課題です。
特に日本の国語は、
行間を読む
作者の意図を考える
比喩や要約を使う
といった高度な読解力が求められるため、日頃から国語力を鍛えておく必要があります。
さらに、帰国子女受験や中学受験でも国語は必須。
「アメリカだから英語さえできればOK」とは言えません。

将来のキャリアにも影響する言語力
アメリカで育つ日本人小学生が将来どこで暮らすにしても、国語力は大きな武器になります。
バイリンガルとして働く
日本企業と関わる
国際的な仕事に就く
いずれにおいても、日本語運用能力は専門性として評価されます。
特に将来、
翻訳
通訳
国際ビジネス
研究
教育
の分野に進む場合、国語力は欠かせません。
国語学習は「将来への投資」
アメリカという異文化の中で育つ日本人小学生にとって、国語を学ぶことは単に母語を維持するためではなく、
学力
思考力
自己肯定感
アイデンティティ
将来の可能性
すべてを支える柱になります。
だからこそ、アメリカ在住の日本人家庭は国語を疎かにせず、長期的な視点で取り組むことが大切です。
まとめ
アメリカ在住の小学生に国語が必要な理由
幼少期の思考力の土台を育てる
文化・家庭・アイデンティティを保つ
英語習得を促進する
帰国後の学習や受験に有利
将来のキャリアに直結
国語は、アメリカだからこそ価値が高くなる学習分野です。
日本語を大切にすることが、英語力と総合的な学力を伸ばし、子どもたちの未来を支える力となります。
アメリカで育つ日本人小学生にとって、国語は必要不可欠な“基礎力”なのです。
アメリカ宿題サポートでは、アメリカに住むお子さんの学習サポートを提供しています。
記事作成者 (Manami Palmini) ![]() 講師経歴
過去のサポート歴
|

